金融・投資

2024.06.27

【新NISAの疑問を解決!】一括投資と積立投資、どちらにすべき?預貯金がある場合の上手な投資方法とは

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2024年から新NISAがスタートし、これをきっかけに新NISAを使った資産運用への関心も高まっています。このように大注目の新NISAですが、「興味はあるけれどよくわからない」「とりあえず始めてみたが不安な点もある」という方も多いのではないでしょうか? そこで、この連載では、新NISAに対するみなさんの疑問をお金の専門家が解決していきます。

疑問に答えてくれるのは…

頼藤 太希(よりふじ・たいき)さん

頼藤 太希(よりふじ・たいき)さん

中央大学商学部客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に現会社を創業し現職へ。ニュースメディア「Mocha(モカ)」、YouTube「Money&YouTV」、Podcast「マネラジ。」、Voicy「1日5分でお金持ちラジオ」、書籍、講演などを通じて鮮度の高いお金の情報を日々発信している。『マンガと図解 50歳からの「新NISA×高配当株投資」』(KADOKAWA)、『はじめての新NISA&iDeCo』(成美堂出版)、『定年後ずっと困らないお金の話』(大和書房)など書籍90冊、著書累計160万部超。日本証券アナリスト協会検定会員。宅地建物取引士。ファイナンシャルプランナー(AFP)。日本アクチュアリー会研究会員。X(旧Ttwitter)→@yorifujitaiki(https://twitter.com/yorifujitaiki

今回ご紹介する質問はこちら…

現金預金がある場合、一括投資か積立投資か、どちらを選ぶべきでしょうか? 上手な投資方法を知りたいです!

ズバリお答えします!

預貯金がある場合でも、最低6ヵ月分の生活費は確保すること!
投資信託への積立投資をベースに個別株などに一括投資するのも一案です

生活費の6か月分は確保しつつ投資しよう

「現金預金がある」とのことですから、おそらく毎月一定額ずつ、堅実にお金を貯められているのでしょう。最近の物価高のなかでも、上手にやりくりできているのはいいことですね。
ただ、現金預金があるといっても、これまで貯めてきたお金をすべて投資に回すことはおすすめしません。今は元気でも、病気やケガで急に働けなくなったり、リストラや転職などで収入が不安定になったりすることがないとは言い切れないからです。
「もしもの場合に備えるお金や日常生活費」として、最低でも生活費の6ヵ月分は確保しましょう。そのうえで、毎月の収入の一部を活用して「積立投資」を始めるのがおすすめです。

一括投資と積立投資はどう違う?

投資の方法には、大きく分けて一括投資と積立投資があります。一括投資は、金融商品に一度にまとめて投資する方法。対する積立投資は、金融商品に毎月・毎週・毎日など一定の間隔で投資する方法です。
投資に「絶対」はありませんが、20年、30年、40年といった将来の時点で、現在の株価水準よりも上昇している可能性は非常に高いといえます。
2024年の世界人口は80億を超えています。国連「世界人口推計(2022年)」によると、2058年には100億人を突破すると推計されています。人口が増えれば、消費が増え、その消費を支えるために生産も増え、経済は拡大していきます。経済が拡大すれば、企業業績が上がっているはずですから、株価も上昇していくでしょう。
つまり、将来的に株価が上昇することがわかっているならば、できるだけ早くまとまったお金を投資したほうがいいのです。
ただ、一括投資は精神的にはあまり望ましくない投資方法です。数十年後という長いスパンで値上がりすることが見込まれる銘柄を購入したとしても、投資した当初に値下がりしたり、ましてや暴落したりした場合には不安になることでしょう。
こうした不安の解消や暴落をチャンスに変えるならば、積立投資がベターです。
定期的に定額購入する「ドルコスト平均法」を生かした積立投資なら、価格が高いときも安いときも購入することで、自然と購入価格を平均化することができます。そのため、少しの値上がりでも利益を出しやすくなります。
また、積立投資は暴落のときも「安く買うチャンス」に変えることができます。
投資の最大の敵は感情といわれています。積立投資は、感情に左右されず淡々と投資を継続できるメリットの大きい投資方法です。
<一括投資と積立投資のメリット・デメリット>

一括投資と積立投資のメリット・デメリット (株)Money&You作成

一括投資をしてはいけない?

もっとも、現金預金が十分にある場合、積立投資をしながら、資金の一部を使って一括投資をするのもいけないのかというと、そんなことはありません。
積立投資は堅実にお金を増やすことを期待できますが、投資活動としては正直地味なものです。したがって、たとえば新NISAを活用して
つみたて投資枠…投資信託に積立投資
成長投資枠…個別株に一括投資
という具合に、投資信託への積立投資をベースに個別株などに一括投資するのも一案です。そうすれば、投資をより楽しむことができるでしょう。
最近は、各企業の株式分割が進み、各証券会社でも1株(単元未満株)から投資できるようになってきています。1株だけの「株主」であっても保有していることで配当金はもらえますし、数は少ないですが株主優待がもらえる銘柄もあります。
もちろん、ここまでお話ししたとおり、タイミングを計った一括投資は比較的リスクが高いという点は押さえておきましょう。できれば、完全に1回だけの一括投資ではなく、何度かに分けて購入すると、購入タイミングが分散でき、高値で買うリスクを抑えられます。
※本記事に掲載されている全ての情報は、2024年5月22日時点の情報に基づきます。
※あくまでも頼藤太希さん個人の投資手法を説明するための例示および見解であり、ジャパンネクスト証券株式会社が取引の勧誘をするものではありません。
◆頼藤太希さんの書籍紹介
新NISAについて、もっと詳しく知りたい方はこんな書籍もおすすめです。

マンガと図解 50歳からの「新NISA×高配当株投資」
https://www.amazon.co.jp/dp/404606725X

イラストを見るだけでわかる 新NISA
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マンガと図解 はじめての資産運用 新NISA対応改訂版
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